夏過ぎて熊野の森に降るものを浴びながら行くあなたを追って
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来週の降雨確率気にしつついずれは暗き行方と思う
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残された礼拝堂の床に射す冬陽 動かぬものに触れ得ず
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遠き野に凧墜ちる日の気の迷いだったのでしょうあのくちづけも
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ひまわりを咲かせてやがて失ってひまわりのなき日々を羞しむ
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設計士の右手が指したあたりから夏のひかりがほつれはじめる
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楽譜抱くあなたの腕が冬の陽にやや傾いて放課後を行く
06/19|題詠100首作品コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
投函を終えてひろがる晴天に馬鈴薯ほどのさみしさを抱く
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宝くじ売場燃えたる翌朝の駅裏に降る雪だったろう
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鱗持つからだを寄せて思い出す限りの相聞歌を教えあう
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絶対に存在すると言い張ってもう横顔で窓を見ている
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誰も知らぬ街を往きつつあの夏の粘る記憶をまだ生きている
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二歳児の額かすかに王子的憂いを帯びて零れるミルク
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逃れきて書棚の陰にできたての固有名詞を呟けば春
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Virginia Woolfあるいは桜狩り、解き放たれて雨、朝のかげ
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船の名を右から読んで六月の晴れ間に水のボトルを翳す
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過去形がひどくあかるく裂けていて一輪挿しにさす女郎花
05/16|題詠100首作品コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
静岡の訛りを運ぶ鈍行の車両揺れつつ揺れつつ 土曜
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急にすいか投げてよこすから、畦道がまっすぐだから、はじまりそうだ
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通うべきムーランルージュ持たぬゆえ港を濡らす雨を見ている
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プロフィール

ひぐらしひなつ

Author:ひぐらしひなつ
歌人。2003年、第一歌集『きりんのうた。』を出版。

公式サイト
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さざめきたてるきみの抒情の
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