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004:キッチン(くろ)
まともな振りけふもできたり煌煌と真夜キッチンに遠吠えを聞く



キッチンは、特に妻や母としての役割を担う女性にとって最も「まともな振り」をしなくてはならない場所ではないでしょうか。どんなに心が乱れていようとも、「食」という日常を疎かにすることは家族のために憚られる。それがジェンダーという概念によって課された理想という幻想に過ぎなくても、実際の生活において、良くも悪くも、女という生きものにつきまとっている感触を実感として覚えます。だからこの作中主体が深夜、家族が寝静まったあとに「まともな振りけふもできたり」と息をつく場所がキッチンである、というところにリアリティを感じるのですね。「遠吠え」が本能的な心の部分に直結してくることは言うまでもありません。

注目したのは「煌煌と」です。意味を補完しつつ読めば「煌煌と(灯のともる)真夜(の)キッチンに遠吠えを聞く」となるのでしょうが、「煌煌と」のあとにあるべき「した」とか「照る」といった言葉が省略されているために、まるで「煌煌と」が「聞く」に係っているように読めます。このことによってこの描写の範疇は単なるキッチンの電灯のみにとどまらず、深夜にひとり遠吠えを聞いている作中主体の精神を照らしだし、一首の凄みを増したのではないか、と感じます。
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04/12|題詠100首鑑賞コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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歌人。2003年、第一歌集『きりんのうた。』を出版。

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