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005:並(水須ゆき子)
夕暮れの水は重くて父と子を並べて叱る背を撓めつつ



ぽっぽさんの作品は身体感覚に拠って立つものが多く、その重さや濃さがリアリティを持って読み手を打つ(敢えて「ぶつ」と読んで下さい)んですね。その身体感覚が「水」というモチーフに仮託されるとき、その強度はとくに大きいように思います。たとえば「中庭の金魚の池がまず暮れて鈴木小児科医院しずまる」「種籾を天水桶に浸すとき指の間(ま)淡きせせらぎを生む」など。そのなかで今回は「005:並」の一首をお借りしました。

この「父と子」とは、作中主体の「夫」と「子」なのでしょうね。教師が三者面談で、というより家族の情景と読みたいのは、作中主体が「父と子」にぶつけている心の歪みのようなもののせい。「背を撓めつつ」叱る、というところに、自らを正義とは捉えていない心情が見えてきます。むしろ「夕暮れの水は重くて」と、個人的な感覚がその状況を作っていることも自覚している。この「夕暮れの水」とは単純に空気や気分と解釈してもいいのでしょうが、体内の水分と読むとさらに強いですね。女性特有の、たとえば生理前の重苦しい感覚。女性は生理前には苛々することが多いですが、たとえばそんなふうに体調に左右されて感情まじりの叱責をしている自分を責めるているという。そこでさらに作中主体を鞭打つのが「夫(つま)と子」とするよりも「(子の前における)父と子」とした記述です。一首を統べる鬱鬱とした空気が、次第に暮れてゆく世界に、確かに重く沈んでいます。
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04/16|題詠100首鑑賞コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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Author:ひぐらしひなつ
歌人。2003年、第一歌集『きりんのうた。』を出版。

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